霜月
11月、霜月です。旧暦で霜月と別名で呼ばれるのは、諸説ありますが、霜が降りてくる月という意味です。11月では霜が降りるにまだ早いと思われますが、旧暦11月は新暦では11月下旬から12月上旬なので、霜が降りても不思議ではありませんね。今月は、御代替りの「大嘗祭(だいじょうさい)」が11月14日に行われます。今回は大嘗祭について簡単に説明します。
毎年秋、天皇陛下は、その年の新穀を、御祖先である天照大御神をはじめ、神々にお供えし感謝を捧げる「新嘗祭(にいなめさい)」を宮中で御斎行になります。なかでも、陛下が御即位後初めて行われる新嘗祭が「大嘗祭」です。大嘗祭は、天皇御一代に一度行われる祭祀で、御位につかれるうえで不可欠なものであり、数ある祭祀の中で最高の重儀とされています。
大嘗祭は、特別に造営された「悠紀殿(ゆきでん)」、「主基殿(すきでん)」を中心とした「大嘗宮(だいじょうきゅう)」において斎行されます。大嘗宮は古代の工法そのままの簡素な建物で、陛下はそこで古式に則った祭祀を親ら執り行われます。また、大嘗祭は、全国を代表した斎田(さいでん)から採れた米が神饌(しんせん)として供されるように、まさに国を挙げた祭祀でもあります。
新穀を神々に奉る祭祀は、古くは天照大御神がなさっていたことが『古事記』『日本書紀』に記されています。つまり、これは長い歴史を通じて変わることのない天皇陛下の御務めであり、陛下は、大嘗祭を通じて天照大御神の御手振りを今の世に再現されているともいえるでしょう。そして、国家・国民の安寧や五穀豊穣を、天照大御神をはじめとする神々に感謝、また祈念されているのです。
なお、植田八幡宮では例年通り11月23日の勤労感謝の日に、地域の役員の方々にご参列頂き、新嘗祭を催行します。
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